AIの文章に見えない透かし。OpenAIとAnthropicで何が違うのか
OpenAIは10月5日、EUの利用者のChatGPTとCodexの文章に、見えない透かしtextGrainを入れると発表しましたわ。Anthropicは8月から、Claudeの文章に世界中で透かしを入れていますの。範囲、APIの扱い、手直しへの強さ、検出の道具を並べたので、日本で使う方に何が関わるかが分かりますわ。
textGrainは、EUのAI法で、AIが作った文章を機械で見分けられる形にする決まりに合わせた透かしですの。
同じ決まりに向けて、Anthropicは8月から、Claudeの文章に透かしを入れています。2社のやり方は、入れる範囲がまるで違いますわ。
透かしの仕組み
textGrainは、文に印の文字を足すものではありません。AIが単語を選ぶときの選び方に、統計的な信号を残す仕組みです。読む人には分かりませんの。OpenAIは、この技術をオープンソースで出す予定だと書いています。
入れる範囲
OpenAI
- EUで対象になるChatGPTとCodexの文章に、これから数週間かけて入れる。EUだけで、全プランが対象
- 世界全体の既定にはしない
- APIは10月5日から世界中で、一部のモデルについて自分でオンにできる。既定はオフ
Anthropic
- Claudeが提供されている全ての地域で入れる
- 2026年8月2日以降に出たモデルは発売時から入り、それより前のモデルにも順に広げている
- Claudeのアプリ、API、Claude Code、AWS・Google Cloud・Microsoft Foundry経由の利用も対象
Anthropicは、世界中に入れる理由として、地域ごとに分ける確かな方法がまだないと書いていますわ。
手直しに、どれだけ強いか
OpenAIの技術報告には、数字が出ています。誤って透かしありと判定する率を1%に抑えたとき、心理学などの話題では、200トークンの文で約80%、400トークンの文で約95%を見つけたそうですの。数学の文では、検出の率がかなり下がります。
400トークンの英語の回答で、単語を同じ意味の言葉に替えたときの結果です。
- 1割を替える:約92%から66%へ下がった
- 4分の1を替える:17%まで下がった
Anthropicは、軽い手直しでは消えにくく、すべての語を替える書き直しで消えると説明しています。短い文では見つけにくいことも書いていますわ。
透かしで分かること、分からないこと
OpenAIは、透かしは次のことを示さないと書いています。
- 人がどれだけ手を入れたか
- 誰が使ったか、誰の物か
- 内容が正しいか
そして、透かしが見つからなくても、人が書いた証拠にはならないと書いていますの。学校や会社で「AIで書いたか」を見分けたい方に、いちばん読んでいただきたいところですわ。
検出の道具は、誰が使えるか
- OpenAI:審査を通った研究者と、専門の団体だけ。EUの行動規範に沿って、1件ずつ認める
- Anthropic:非公開プレビュー。規制当局、法執行機関、報道機関、ファクトチェッカー、研究者、教育機関、EUの市民団体などに限る
一般の利用者は、どちらの道具も使えません。
日本で使う方への影響
- 日本で使うChatGPTとCodexの文章は、今回の対象に入らない(EUだけ)
- OpenAIのAPIの文章には、自分でオンにしない限り入らない
- Claudeの文章には、日本でも透かしが入る
両社の違いは比較表にも並べていますわ。
ポストから直したこと
- 「英語で約300語の文章」は、技術報告の単位に合わせて「400トークン」に直しました。
- 「Claudeは、8月2日以降に出たモデルなら日本でも入ります」は、範囲を狭く書きすぎていましたの。ヘルプでは、それより前のモデルにも順に広げていると書かれています。
- 「EUのAI法の決まりが8月2日から始まった」という日付は、OpenAIの記事に書かれていなかったので、この記事では使っていません。
- 「写して貼っても一緒に移ります」は、一次資料にそのままの記述が見つからなかったので外しましたわ。
- Googleの部分(SynthID)は、今回は一次資料で確かめていないので外しました。
元になったポスト
-
「OpenAIが、ChatGPTとCodexの文章に見えない透かしを入れると発表しましたわ。」を読む
OpenAIが、ChatGPTとCodexの文章に見えない透かしを入れると発表しましたわ。10月5日(米国時間)のことです。EUのAI法で、AIが作った文章を機械で見分けられるようにする決まりが8月2日から始まったためです。 透かしといっても、目に見える印はありません。AIが言葉を選ぶときに少しだけ選び方を寄せて、読む人には分からない偏りを残す仕組みです。OpenAIは「textGrain」と呼んでいます。文章そのものに入るので、写して貼っても一緒に移ります。 入れ方は各社で違いますわ。 OpenAIは、EUの利用者のChatGPTとCodexにだけ、これから数週間かけて入れます。APIは世界中で使えますが、最初は切ってあり、入れたい会社が自分でオンにします。 Anthropicは8月に、Claudeの文章へ世界中で透かしを入れると決めました。地域ごとに分ける確かな方法がまだないから、という理由です。 GoogleはGeminiのアプリとWeb版の文章に、SynthIDという透かしを入れています。Googleの開発者向け掲示板に付いた回答では、APIの文章には入っておらず、今は予定もないそうです。 透かしを調べる道具は、OpenAIは審査を通った研究者や専門の団体、Anthropicは規制当局や報道機関などに限っています。 透かしは手直しで弱まりますわ。OpenAIの試験では、英語で約300語の文章の1割を似た言葉に替えると、見つかる割合が約92%から66%に下がりました。4分の1を替えると17%です。短い文、数学の答え、訳した文も見つけにくいと書いています。透かしが見つかっても、誰が書いたかや、人がどれだけ手を入れたかは分からない、ともOpenAIは書いています。 Hacker Newsでは厳しい声が目立ちましたわ。「25%言い換えて、とAIに頼めば済む」「誤って透かしありと出る率が1%でも多すぎる」という意見があります。「AIの手伝いは、使ったか使わないかの二択ではない」という人もいました。 日本でChatGPTを使う方は、今回の発表では対象になりません。APIも、自分でオンにしたときだけです。Claudeは、8月2日以降に出たモデルなら日本でも入ります。 気をつけたいことを書いておきますわ。 1. 透かしが見つからないことを、人が書いた証拠にしない。OpenAI自身がそう書いています 2. EUの人に向けて文章を出すサービスを作っているなら、透かしを入れるかどうかを先に決めておく。OpenAIのAPIでは、最初は切ってあります

出典
- 一次資料Our approach to EU text provenance rules(OpenAI)(10月5日)
- 一次資料textGrain: Entropy-Calibrated Watermarking for Language Model Text(OpenAIの技術報告)(10月5日)
- 一次資料How Claude's text watermarking works(Anthropic)(8月14日)
- 一次資料Claudeヘルプ「How Claude marks AI-generated content」(10月11日に確認)
- 一次資料AI Act(欧州委員会)(10月11日に確認)
- 報道BleepingComputer「OpenAI is adding invisible watermarks to ChatGPT and Codex text in the EU」(10月5日)
- 報道Euronews「EU compliance, delivered globally: Anthropic to watermark Claude's output worldwide」(8月11日)
- 元ポストXの元ポスト(2026年10月06日 08:43)
他サイトの本文や写真は転載していませんわ。内容は要約し、元の記事へのリンクを付けています。
読んでくださって、ありがとうございますわ。